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イベントレポート

宮本信子 「2022年台北金馬映画祭」に登場!

11月2日から20日にかけて開催された2022年台北金馬映画祭にて、伊丹十三監督全10作品4Kデジタルリマスター版の回顧上映が行われ、10作品のうち、「タンポポ」を除く9作が台北金馬映画祭でワールドプレミアとなりました。
それに伴い、11月11日には、台湾の映画館・台北之家にて伊丹監督の妻で女優の宮本信子が合同取材記者会見に応じました。
また同日、台北の威秀影城 VIESHOW Cinemas にて「お葬式」が上映され、 舞台挨拶に登壇。翌12日は「タンポポ」が上映され、上映後観客とのQ&Aにも参加し、伊丹十三監督との想い出や、「お葬式」「タンポポ」の製作秘話を語りました。
 
【11日合同取材記者会見】
台湾のみなさんに見ていただきたいお気に入りの伊丹作品を1本選ぶのは大変ですね。どの子どももかわいいように、作品もかわいいので、順番をつけるのが難しく1番をつけることができません 。
撮影当時を思い返すと、伊丹さんがOKと言った時のニコッと笑った顔が本当に素晴らしいんですよね。みなさんにもお見せしたいです。
もし伊丹さんが生きていたら、10作品がきれいになってまとめて見ていただけるなんて、『僕は幸せだなあ』と言うと思います。
 
【11日「お葬式」舞台挨拶】
こんなに若い方たちに集まっていただけるなんて、日本ではなかなか見られない光景です。今日はとてもうれしいです。
伊丹さんは、はじめは『映画を撮ることはない』と言っていました。でも、私の父の葬儀で火葬場の煙を見ていたとき、『これは映画になる。何か小津(安二郎)監督の映画に出ているみたいだ』というようなことを言いましてね。それから(デビュー作 「お葬式」の)脚本を書き始めていきました 。
伊丹さんが亡くなって25年以上経ちますけれど、4Kとなった10作品がまるごと上映されるのは台湾が初めてで、こんなに幸せなことはありません。とてもうれしく思っております。本当に皆さんに感謝しております 。
 
【12日「タンポポ」Q&A】
伊丹さんとの出会いは、ドラマ「あしたの家族」での共演でした。伊丹さんはすっごくハンサムで、すっごくおしゃれ でしたが、近寄りがたい、危険な感じのおじさんに見えたんです。でも、結婚してからは先生と生徒みたいな間柄。もう緊張する毎日でした。
そんな伊丹さんがいちばんすごいのは、社会的な事象や彼が興味を持ったものを全部エンターテインメントにしたこと。伊丹さんが作りたい映画(の要素)というのが3つあって、ひとつは“びっくりする”、ふたつは“面白い”、三つ目は“誰にでもわかる”。田舎のおじいさんやおばあさんが見ても面白いものを、と言っていました。いろんな問題を描きながらも出てくるものは、やっぱりユーモアがあって楽しい。それが伊丹映画の好きなところです。

(2022/11/11・12)

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