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EVENT REPORT

イベントレポート

宮本信子 「JAZZ LIVE 2019」を開催!!

 

宮本信子が19年前から続けているジャズライブ活動の一貫として、4月8日(月)にビルボード・ライブ東京にて「宮本信子 JAZZ LIVE 2019」が開催されました!
ライブ後半ではスペシャルゲストとして、銀杏BOYZの峯田和伸さん、サックス奏者の本多俊之さんが出演してくださり、会場を熱く盛り上げました。

<ライブレポート>

~バンドによるイントロ演奏後に、宮本信子が登場!大きな拍手で迎えられさっそく1曲目を披露~

■1曲目:『On A Slow Boat To China』歌唱

宮本信子 JAZZ LIVE 2019 supported by PRIORにお越しいただきまして、ありがとうございます!
お客様の前で歌うことが好きな私ですので、今日初めてお越しいただいたお客様、いつも私を応援してくださるお客様、ゆっくりのんびりお過ごしくださいませ。

■2曲目:『All Of Me』歌唱

高校1年の秋、家の屋根に寝っ転がって空を見ました。私は何者かになれるんだろうかと考えていました。何か好きなこをとして生きていきたいと思っていましたが、その時父が初めて従兄弟に俳優の千秋実さんがいると知らせてくれました。それで私はやっぱり女優になりたいと思いました。条件は3年で、父からお許しを得ました。千秋さんの付き人をしながら、文学座附属演劇研究所に通いました。
渋谷の道玄坂で、やっぱり空を見て誓ったんです。どんなことがあっても我慢する、東京のこの地で一旗をあげる、家には帰らない。その時の気持ちは、不安と希望で胸がいっぱいでした。

■3曲目:『Dream』歌唱
■4曲目:『You’d Be So Nice Come Home To』歌唱

最近体が劣化しております。とくに問題は脳の劣化です。
この間も、眼鏡がどこにいったか分からなくて、家中探しました。そうしたら、冷蔵庫の中にあったんです。心底がっかりしました。
数日経ったら、新聞広告に“サバの水煮缶”が血管さらさら、中性脂肪、コレステロール、おまけに脳の認知機能の改善とありました。これは私にぴったりと直感で思いました!さっそくサバ缶を買いました。
サバで私の脳を実験中でございます(笑)

■5曲目:『It’s A Sin Tell A Lie』歌唱
■6曲目:『My Funny Valantain』歌唱
■7曲目:『’S Wonderful』歌唱

伊丹さんが亡くなって20年以上経ちますが、去年から伊丹さんにスポットライトが当たっているような気がします。岩波書店の「伊丹十三選集」がボックスで発売されて、本当に美しい箱で嬉しかったです。それから、ファッション雑誌や、若者の雑誌などにも掲載されて。NHK松山局が作ってくだった番組「8人の伊丹十三」も、とても素敵でした。
私にインタビューする度に、一番多い質問があるんです。「伊丹さんに会った時の感想は?」です。私は「危険だと思いました」と答えます。ハンサムで背が高くて、女性が絶対にほっとかないだろうと。
そんな危険な人と共演したのは、NHK「あしたの家族」というホームドラマでした。その時、伊丹さんと演出助手のAさんが、どっちが先に宮本信子とお茶を飲みにいくかの賭けをしていたんです。毎日のように誘われて、「今することがあるので、ごめんなさい」と断っていたら、Aさんはすぐに諦めました。伊丹さんは諦めないんです。私は悪いような気がして、お茶を飲みました。
ある日、私はマッチを渡され、中を見てみると「西口玄関10分後」って書いてあるんです。それでNHKを出ますと、赤いロータス エリーゼに乗せられました。

■8曲目:『Any Time,Any Day,Any Where』歌唱

■9曲目:『Love Letter』歌唱
■10曲目:『I Left My Heart In San Francisco』歌唱

私はいぶし銀のような女優と言われていました。地味で目立たなくて、でもちょっと気になる女優。
いろいろコンプレックスがあり自信がない。伊丹さんが、「それはね、あなたは幻想が足りないんだよ」って。名前が真面目すぎるし。
私はある人にお話を聞きました。山田組のカメラマンさんです。しばらくずっと考えて、にっこり笑って、「僕は宮本信子っていい名前だと思うよ」と。私の勝ちですね!伊丹さんの言うことは聞きませんでした。
それから、資生堂プリオールのコマーシャルをやらせて頂いて、照明が素晴らしくて綺麗に撮っていただいていますから、「宮本さん、毛穴綺麗ね!いつまでも若々しくて」なんて言われたら、「いやいや、私は婆さんですから」って言ってたんですけど、最近は「まぁそうですか?あら嬉しいわ!」って言っています。
伊丹さんが言った幻想っていうのは無くなったと思います。

■11曲目:『セ・マニフィック』歌唱

~ここで、スペシャルゲスト1人目として、銀杏BOYZの峯田和伸さんが登場!!~

峯田さん:「僕もコンプレックスばっかりで。三年前にドラマでご一緒したときに、悩みごとを相談したじゃないですか。全部受け止めくださって、こうした方がいいわよって。でも、『それは私の考えだから、あなたがどう思うかはあなたが考えなさい』って。ありがとうございました!」
宮本:「仲が良いんです。芸能界にこの人と本多さんしか友達がいなくて…」
峯田さん:「またでっかいお寿司お願いします!あんな美味しいお寿司食べたことない!」

■12曲目:『Fly Me To The Moon』歌唱
~峯田さんとデュエットで歌唱!間奏では音楽に乗せて、ふたりでおどけたダンスを披露するなど、会場からは拍手と歓声があがり大盛り上がりとなりました。~

■13曲目:『北国の春』峯田さん歌唱
~魂を揺さぶるように全身全霊で歌い上げる峯田さんの姿に、宮本も興奮を隠しきれない様子でした。~

■14曲目:『More Than You Know』歌唱

~ここで、もう一人のスペシャルゲスト、サックスの名手で、伊丹映画の音楽監督を務めた本多俊之さんが、サックスを片手に登場!!~

本多さん:「ちょっと遅くなりましたけど…」
~サックスでハッピーバースデーのフレーズを披露!~
宮本:「初めて吹いていただいて、感激です!でも、としちゃんも誕生日は明日よね」

宮本:「私たち、親戚みたいに喋ってるんですけど、歌も作ったんです。伊丹さんとは、何かあるたびにシャンパンで乾杯していました。一人になって、無性にシャンパンを飲みたくなりました。冷蔵庫から取り出して栓を抜こうとしたんですけど、そうしても抜けなかった。いろんなことを思い出してしまって、泣いちゃったんです。子どもたちからは、その気持ちを詞に書いてみたらって。そうしてできた曲です」

■15曲目:『シャンパンが抜けない』歌唱(本多さんのサックス伴奏)

■16曲目:『伊丹映画メドレー<お葬式~あげまん~ミンボーの女~スーパーの女~マルサの女~>』
~本多さんとバンドの演奏に乗せて、宮本がそれぞれの作品にまつわるエピソードを紹介!~

『お葬式』
私の父が亡くなって、ふたりで火葬の煙を見ていたら、「これは映画になる!」と伊丹さんが言いました。伊丹十三51歳です。撮影初日、伊丹監督の第一声「よーいスタート!」が聞きたくて、私はメイクをしたまま坂を走っておりました。

『あげまん』
私、45歳。画面的にはギリギリで、間に合って良かったと思いました。伊丹さんも「早く撮ってあげたかったね」と。お母さんが赤ちゃんをここにおく、赤ちゃんはニコニコ笑って、お母さんは「幸せになるのよ」と言って走り去る。

『ミンボーの女』
この映画で伊丹さんは暴漢に襲われました。顔も切られ、映画の顔であるスクリーンも切られました。映画をつくるということは、覚悟がいると思いました。

『スーパーの女』
この頃、雅彦ちゃん(津川雅彦さん)とのコンビは絶頂期を迎えていたと思います。「ふたりを信頼しているから、ワンシーンワンカットで撮れるんだよ」と伊丹さんは言いました。私たちは大喜びしました。ピンクの毛糸のパンツを穿いたラブシーン、私大好きです!

『マルサの女』
この曲は、板倉亮子が初めて登場するシーンで使われています。原宿の喫茶店で撮影が行われました。大きなサングラスをつけて、外国のファッション雑誌を見て、ちょっとあれ見てごらんっていうシーンです。映画は大ヒットし、社会現象になりました。普段映画をみない背広姿の男性たちでいっぱいになったんです。

~そして、最後には『マルサの女』のテーマ曲として有名な『The Woman From Marusa』が披露され、本多さんが奏でるサックスのメロディに、観客のボルテージがさらにヒートアップ!~

■17曲目:『As Time Goes By』歌唱
~最後に、宮本のライブのトリとして定番の曲を披露!歌い終えると、宮本はステージを後にしました~

~アンコールで再び宮本がステージに登場!~

こんな私の歌ですけど、背中を押してくださって、こういう場を作っていただいたスタッフの皆様、どうもありがとうございました。
だいぶ歳も取ってきまして、先が見えるようになってきました。でもこうやって仕事をさせていただいて、本当に嬉しく思っております。あとどのくらいできるか分かりませんけど、他にすることもありませんし、この仕事が好きなので、もう少し頑張りたいなと思います。人の心に響くような人の心に染み入るような、勇気づけるような作品や役に恵まれたらと思っています。
それから、愛媛県にある伊丹十三記念館が17万人突破!!
潰れたらどうしようと思って、でも少しずついらしてくださる方が褒めてくださって、すごく嬉しいんです。ぜひ皆様もいらしてくださいませ!

~スペシャルゲストの峯田さんと本多さんが改めて登場し、アンコール曲を3人で歌い上げました!~

■アンコール1曲目:『Lover Come Back To Me』歌唱
■アンコール2曲目:『港町十三番地』歌唱

どうもありがとうございました!
足元にお気をつけてになって、転ばないでくださいね。

(2019/04/08)

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