上白石萌音 「オルセー美術館所蔵 印象派—室内をめぐる物語」トークセッションに登壇!
10月25日(土)より国立西洋美術館にて開催される展覧会「オルセー美術館所蔵 印象派—室内をめぐる物語」の開幕に先立ちトークセッションが行われ、展覧会アンバサダーと音声ガイドナビゲーターを務める上白石萌音が登壇しました。
「オルセー美術館所蔵 印象派—室内をめぐる物語」は、「印象派の殿堂」ともいわれるパリ・オルセー美術館所蔵の傑作約70点を中心に、国内外の重要作品も加えたおよそ100点により、室内をめぐる印象派の画家たちの関心のありかや表現上の挑戦をたどる展覧会です。
印象派が好きでオルセー美術館に憧れがあるという上白石は、ひと足先に展覧会をまわり、「一番に感じたのは絵の親しみやすさでした。当時とは暮らしの様式は変わりましたが、営みの本質はあまり変わっていないので、『こういう瞬間あるよね!分かる分かる!』と共感できました」と全体を通した感想を伝えました。
室内をテーマにした展覧会ということで、「人物のリラックスした表情がとても魅力的です。印象派ならではの自由な表現技法で描かれた室内が、一貫したテーマと鮮やかな構成で並んでいますし、絵が掛けられている壁や照明に繊細な拘りが感じられました。とても満喫させていただいて、楽しかったです」と充実した表情を見せていました。
上白石が楽しみにしていたという、ピエール=オーギュスト・ルノワールの『ピアノを弾く少女たち』と、クロード・モネの『アパルトマンの一隅』の2作品も鑑賞。『ピアノを弾く少女たち』については、「ルノワールが描く人物って、肌や髪が滑らかで、女神や天使のようだと思います。人物の神々しさと、周りにある椅子やピアノなどの親しみやすさの2つが共存していて面白いです」と紹介。
『アパルトマンの一隅』については、「画像で見るよりも静かな衝撃が強くて、吸い込まれそうな独特な魅力があります。私がこれまで見てきたモネの作品にはない空気感を感じられて、この作品をこの目で見たことはずっと忘れないと思いました」と心に迫りくるものがあったことを明かしました。
また、本展覧会ではエドガー・ドガの『家族の肖像(ベレッリ家)』が初来日。家族の不穏な空気感が描き出されている作品ということで、「構成が考え尽くされていて、家族の不穏な関係性を表すモチーフがふんだんに描き込まれていて、深読みしたくなる不思議な引力がある作品ですね」と衝撃を受けた様子の上白石。とくに注目したポイントとして「実物を見るまで気付かなかったのですが、絵の中に一匹の犬がいるんです」と紹介。その犬に共感したようで、「顔は描かれていなくて、部屋から出ていくような体勢なのですが、あのヒリヒリとした息詰まるような空気感に耐えられなくなって部屋から出ていこうとしているに見えます」と解釈し、「私もあの部屋にいたら、あの犬と同じ道を辿っただろうなと思いました(笑)」と感想を語りました。
本展覧会では、室内を主題として作品だけでなく、室内を装飾するために作成された作品も多数展示されています。上白石は、「一緒に周っていたスタッフさんとも、『私、これがいい!』と話していて、まるでショッピングしているような気分になりました。それくらい魅力的な生活を彩る品々も展示されています。生活に寄り添いながらアートを楽しめる豊かな時間になると思います」とオススメしました。
最後に、「この展覧会を通して、人の居住空間には独特な趣があるのだと感じました。生活の匂いや人々の思案や交流があったりして、それが織り成す空気を、印象派の画家ならではのやり方でギュッと閉じ込めた作品がたくさん来日します。この作品の周りに、当時の空気が漂っているような感覚を覚えました。その空気を感じに、上野まで足を運んでいただけたらと思います」とメッセージを送り、トークセッションを締めくくりました。
「オルセー美術館所蔵 印象派—室内をめぐる物語」は、国立西洋美術館にて、2025年10月25日(土)から2026年 2月15日(日)まで開催されます。
是非会場までお越しください!
(2025/10/24)
